2018年07月01日(日)
7月のふくてんちょー
岩波少年文庫の中から、お気に入りの1冊を紹介する、「今月のふくてんちょー」。7月は、小学4年生・おかべ たつのり君が担当です。オススメの一冊は、『青い月の石』。
「月が青くなると、特別なことが起きる」ある日、学校で遊ぶ子どもたちの前に、恐ろしい姿の男が現れた。その名はマホッヘルチェ、地下世界の王。ヨーストとヤンは、勇気を出してその足跡を追うが・・・!? 地上と地下を駆けめぐる大冒険。困難を通して、友情とは何かを教えてくれる物語です。
タツノリふくてんちょーは、クールで時々お茶目な小学生男子。この本を選んでくれた理由が、なんともふるっています。「まだ誰も読んでない(であろう)新刊だから、僕が最初に紹介するふくてんちょーになる!」あっぱれ! 因みに本書『青い月の石』は、2018年2月に刊行されたばかりです。
とはいえ、ご家族にお話を伺ったところ、エンジンがかかるまではちょっと大変だったそうですが(笑)、ふくてんちょー着任が迫ったところで、一気に読み進めたそう。「最初のあたりはちょっと大変だったけど、第一部 10章 ヨーストの冒険とヤンの任務のところから、すっごく面白くなったよ!」なんと、本書がはじめてひとりで完読した岩波少年文庫だったそう。一冊読み切れると自信がついて、次を読んでみたくなる子どもたちを何人も見てきた店主ですが、タツノリふくてんちょーもこの本がきっかけで、次の一冊への読書スイッチ、パチリとON。
やる時はやる、責任感の強いタツノリふくてんちょーオススメの『青い月の石』。ぜひこの夏、読んでみてください!
– – – – – – – – – –
7月某日
猛烈に暑い中、さらに熱いタツノリふくてんちょー出勤(本当は前週に出勤予定だったのですが、豪雨のためてんちょーストップ)。色画用紙に一生懸命な文字で、何か書きはじめました。「もし だいじなひとが 池の下に いたら たすけにいくか? いかないか?」
『青い月の石』の主人公ヨーストが、地下世界へと続く池の中に入っていくシーンから、鋭い問いを立ててくれました。ふくてんちょーは飛び込むそうです。先週の雨を思い出させる深い問い。後日、哲学者の松川絵里さんをして、哲学的!と言わしめたほど。
このふくてんちょーの問いかけに、立ち止まるひと多数。旅のお客様、打ち合わせにいらしたミシマ社のおふたり、寺子屋スータ受講生の大人たちなどなど、ペンと紙を渡すと、意を決して、子どもから大人までみな真剣にひとこと書いて下さる。
「深さ2m以内だったら行きます」と超現実的な回答を寄せたのは、中学生男子。じっくり問いに向き合った人たちが、これいただきます、とみなさん『青い月の石』を購入。これまでにない展開。