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2016年03月07日(月)

『それでも、海へ』

「もう、海に出るのはやめよう」

ベテラン漁師のじいちゃんは、漁をやめました。
命がけで自分の船を守ったにもかからわず。
大津波で変わり果てた町の姿に、
亡くなった漁師仲間たちに、こころを痛めたから。

岩手県陸前高田市。
震災後、しばらく電気も水道も止まったままでした。
一か月ほどたったある日、
缶詰をおかずにした、いつもの食事の場で、
孫のしゅっぺが、じいちゃんに言いました。

「じいちゃんがとってきた白いお魚が、もう一回食べたい」

はっとする、じいちゃん。
孫のことばに、大切なことを思い出します。
しゅっぺも、そして自分自身も、
みな海の恵みを受けて、生きてきたことを・・・。

フォトジャーナリスト、安田菜津紀さんによる写真絵本『それでも、海へ』。
小さなしゅっぺの姿を通じて、
ひとりの漁師と、海と共にある町の再生を追うドキュメンタリーです。

じいちゃんが大好きなしゅっぺは、
今日も港で、じいちゃんの帰りを待っています。

 

『それでも、海へ』
写真・文 安田菜津紀 / ポプラ社 刊

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